鼠径ヘルニア手術について

 

鼠径ヘルニア(脱腸)は、加齢によって弱くなった筋肉や腹壁の隙間に穴(ヘルニア門)が開いてしまい、お腹の中の腸管や脂肪が飛び出してくる病気です。

穴の位置により外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニアに分類されます。同時に複数個ヘルニアが形成される(左右同時にできる)こともあります。

tapp法

ヘルニアは自然に治癒することがなく、治療法は手術しかありません。ヘルニア門(穴)を閉鎖するために人工のシートを使用しますが、当院では主に前方アプローチ(クーゲル法)、腹腔鏡下ヘルニア修復術(TAPP法)にて手術を行なっています。

・クーゲル法・・・腰椎・局所麻酔/1泊2日入院で可能/手術時間が早い、
・TAPP法・・・全身麻酔が必要/術後疼痛が少ない/同じ創で両側手術可能、
などそれぞれ特徴があります。

また再発ヘルニアや巨大ヘルニア、下腹部手術の既往がある場合はいずれの方法も困難となることがあり、メッシュプラグ法など患者様の状態に合わせて適切な手術方法を選択します。

飛び出た腸管が戻らなくなる「嵌頓(かんとん)」と呼ばれる状態になると、飛び出た部分の血流が途絶えてしまい、腸管切除が必要になる場合がありますので、早めの受診をお勧めします。